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野生動物にとってのEarth

25/4/2023

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​​<UAPACAAメルマガ過去記事紹介:2021年4月号から>22 April : Earth Day / International Mother Earth Day(続き)
 
野生動物たちにとっても、かけがえのないMother Earth。UAPACAAパートナーズが保護を目指す、各国の森林の象徴である種(Flagship Species)の現状について観ていきます。生態系の頂点に位置づけられるこれらの大型哺乳類たちは、寿命が長く森のさまざまな自然資源を利用しながら暮らしているので、彼らが自由に生きられる環境は、森の健全性を表す象徴的意味を持ちます。今回はマルミミゾウを取り上げました。
写真
アフリカ中部のWWFが続けている野生動物モニタリング
写真ジェンベ・キャンプに現れた人に慣れたゾウ
🐘 マルミミゾウ 🐘
​アフリカゾウというと、サバンナを群れで移動していくイメージが真っ先に浮かびますが、UAPACAAパートナーズがもっぱら活動するカメルーンやコンゴ民主共和国(DRC)のジャングルには、マルミミゾウと呼ばれるひと回り小柄な森林ゾウが分布しています。アフリカゾウは気性が荒く、アジアゾウのように人間が使役できるまで慣れないと言われますが、マルミミゾウはさらに激しく、ジャングルで出会ったら真っ先に逃げろといわれる、野生動物のダントツぶっちぎりの筆頭です。
 
これはもちろん、密猟でさんざん彼らを痛めつけている人間の側の問題でもあるのですが、岡安の経験でも、どこの森で出会ってもその姿に見惚れるとともに、50メートル以内に近づくといつ怒られるかとハラハラドキドキの連続です。コンゴでもガボンでも、「気づかれたらまず風下に一目散に走れ、追いつかれそうだったら、周りで一番大きな木の後ろに隠れろ、間違っても登るな、簡単に倒される、倒せなかったら、降りてくるまで下で待ち伏せされる、音を立てないように長靴は脱げ!? あいつらは時速100キロで走る!?」と、現地ガイドには同じような注意を受け、実際にガボンでは、怒りに「パオーン」と雄叫びをあげたオスに1キロぐらい追いかけられたことも。若かったから逃げ延びましたが、200メートル全力疾走しては、すぐ横の薮で「ブルルルル…」という我々を探す鼻息がする、というのは生きた心地がしませんでした。
 
ゾウは臭いで追跡してくるわけですが、ガイドによると彼が枝を掃うために持っている、マシェット(山刀)の鉄のにおいを嗅ぎ分けていると言います。密猟者が携えている銃器の金属臭と火薬の臭いは、彼らにとって最大級に警戒しなければいけないシグナルであり、群れを守るためには殺るか殺られるかも覚悟する相手だったわけです。実際、生涯に何頭もゾウを倒した伝説の猟師は、たった一度、丸腰で森に入った時に群れに出くわし八つ裂きにされた(身体に火薬の臭いが染みついているのですね…)とか、母子ゾウが保護区の遊歩道に出てきてしまい、近づき過ぎた観光客が重傷を負ったとか、20年前はフィールドにいるとときどき入ってくる話題でした。
 
ただそれでも、人間の側がジャングルでの“身の処し方”を分かっていれば、そこまで深刻なことにはなりません。30年来、あらゆるフィールドでマルミミゾウに出会ってきましたが、冷や汗をかいたのは上記の1回で、それも1キロ走ったら放免してくれましたし、鼻で運ばれて放り投げられたと思ったら、「もう来るなよ」と言わんばかりに背中をトントンと叩かれて去っていった、という体験をした元同僚もいます。“危険だらけ”に見えるジャングルですが、昔はたいていどこでも、ガイド(トラッカー)を一人連れただけで歩けたものでした。
 
ところが今はどうでしょうか。
 
カメルーン・ロベケ国立公園のゴリラ調査のために、1週間キャンプをするためだけでも、たいそう大掛かりな準備が必要です。特にレンジャーの同伴については、国立公園という国の管理下に置かれた地域であるというだけでなく、昨今、大きな問題になっている国際密猟団を排除するためにも、最低限の武装をした警察権を持つ官吏に同行してもらわなければならない、世知辛い世界になってしまったのです。
 
確かに30年来、コンゴ盆地のジャングルを渡り歩き、まだ保護区になる前のワンバ(DRC)、ンドキ(コンゴ共和国)、国立公園になる前のインフォンドやムカラバ・ドゥドゥ(ガボン)を観て歩いた身には、人口密度の低い地域に残された野生動物の宝庫の美しさは忘れられません。しかしこの「人の少ない地域を保護区にする」という従来の自然保護の手法が、グローバリゼーションの中で密猟の図式が変わってしまった現在、裏目に出ていることも実感されます。「昔は良かったなぁ」と気楽に回顧している場合ではなく、地域住民がいないせいで森がよそ者の密猟の巣窟になってしまう、という事態を避ける体制が今、築けないと、マルミミゾウを初め大型野生動物の、絶滅の連鎖は防げないという危機感が募ります。
 
<初めて2種に分かれ、絶滅傾向が鮮明になったアフリカゾウ>
​この状況は、マルミミゾウ自身の態度を観ていても明らかです。

私は2002年にガボンでひどいマラリアで死に損なって、10年ほどアフリカ中部から離れていたのですが、まさにその10年のあいだにアフリカ中部の主だった保護区のマルミミゾウが、1/3減してしまうという悲劇が襲いました。2012年に初めてロベケ国立公園を訪れた時には、いたるところで観られるフンや痕跡にもかかわらず、20年前のンドキの森とはまるで違う、こちらを見て一目散に逃げていく様子を不審に思ったものです。5年後にカメルーンでも大規模モニタリング調査の結果が発表され、ロベケでも半減という信じられない数字を見て納得。胃が痛くなりました。

​賢いマルミミゾウたちは、まったく歯が立たない新たな敵を見分け、前述のように抗うのではなくまず逃げる、そして安全地帯を探して大胆に移動することで生き残りを図っているようです。何より驚くのは、昔の地元密猟者のように、ライフルなどの銃器で武装したレンジャーや国境警備の兵士たちが、国立公園の主要ポストで警戒を続けているところが、安全地帯であることを知っていて移動してきているらしいことです。2013年にお隣の中央アフリカ共和国でクーデターがあった時は、ザンガ・サンガ保護地域から大挙してマルミミゾウが逃げてきましたし、ゴリラの人付け(エコツアー振興のために馴らす試み)のためにパトロールを強化したプチ・サバンナ周辺にも、以前は見られなかったゾウたちが増えています。まるで普通のライフルと、国際犯罪密猟団が持つカラシニコフ自動小銃を嗅ぎ分けているかのように…。
 
こんな風に私が長年親しんだマルミミゾウが、2021年3月下旬、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生動物のリスト)の更新の際に、最新の遺伝子解析情報でサバンナゾウとは別種とされ、2種に分かれて生息状況が再評価されました。そして残念なことに、WWFが中部アフリカで行った大規模調査を追認する結果が出てしまいました。
 
IUCNによれば、アフリカ各地でゾウを取り巻く状況は悪化し、特にマルミミゾウは過去31年で個体数が86%以上減少したとされています。アフリカゾウとして一括りになっていた間は、危急種(VU)という分類だったマルミミゾウが、一気に「深刻な危機にある種(CR)」になりました。象牙を狙った密猟は2011年をピークに減少傾向にあり、具体的な密猟対策や土地利用の管理など、自然保護の活動の成果で個体数が安定しはじめた地区も認められます(IUCNサイト:英語)が、まだ楽観できる状況ではありません。
 
他方、サバンナゾウもこの50年間に少なくとも60%減少し、「危機種(EN)」と評価されました。ただサバンナゾウの生息国の中には、個体数が十分増えたとして国内の狩猟を再開させることを検討している国々もあり、問題を複雑にしています。
 
<新たな研究が示すマルミミゾウの受難>
 IUCNのレッドリストの更新の発表があった2021年3月25日同日、WWFもアップデート記事を配信しましたが、その中に気になるマルミミゾウの話題が紹介(英語)されていますので、以下に解説します。
 
2020年9月にScience誌に掲載された論文(英語)によると、ガボンのロペ国立公園の30年に渡る長期調査(1986年~2018年)の結果、気候変動の影響によって73種のモニタリング対象の果樹の結実が、全体で81%も減少したことが判明しました。また2008年~2018年の間に撮影された画像解析により、この国立公園に生息するマルミミゾウの体格が11%減少したことも確認されたのです。
 
ロべケを初めとするコンゴ盆地のジャングルの森林生態系は、マルミミゾウしか食べない大きな固い実をつける大木も多く(5メートルの高さの幹に直接生えて、頭を直撃されたら命にかかわるような、特大のカボチャのようなものもよくあります)、彼らなしには種子散布が成り立たないほどの、強い結びつきをもって進化してきました。ゾウの大規模密猟によって空っぽになってしまったジャングルが、消滅の道を歩まざるを得ないことはしばらく前から大問題になっています。しかし今回の長期調査があぶりだしたのは、密猟や生息地破壊といった直接の人間活動が及ばないところでも、間接的に人為的な影響がマルミミゾウとジャングル双方に、負のインパクトを与えている事実です。
 
2009年に霊長類研究に総説を書いた中で、アフリカ中部で予想される気候変動の長期予想のレビューを引用した(p309-p310)のですが、それによると21世紀末に地球の二酸化炭素濃度が当時の2倍(現状のままでは3倍)になると、次の100年で熱帯多雨林の乾燥地帯は疎開林や草原にとって代わり、熱帯林が戻ってくるのは500年後といった信じられないものでした。しかし今回の「30年で結実が1/5になった」という極端な結果を見ると、長期予測が悪い方へ振れていないかと心配になります。
 
<コロナ禍と象牙取引>
 2008年のレッドリスト以来、アフリカゾウ全体の1/4しかいないマルミミゾウは、常により絶滅の脅威にさらされていることが知られています。日本に関係が深いマルミミゾウの象牙の特徴として、硬度が高くより緻密な細工がしやすいことで、職工に好まれてきた事実があります。
 
このコロナ禍で世界情勢が変化し、特にアフリカの観光立国だった国々では収入の減少が顕著で、密猟対策に割ける予算も縮小を余儀なくされています。この緊急事態で密猟の増加を防ぐためには、需要を減らすという消費国の責任がますます重大になっています。欧米だけでなく世界最大の象牙市場を持つ中国も国内市場を閉鎖した現在、日本の国内市場が違法象牙取引のハブとなってしまう懸念が国際社会で浮上していることは、念頭に置いて行動することが必要です。
 
2016年の研究で、サバンナゾウよりもさらに繁殖率が低いことが判明したマルミミゾウ。繁殖開始年齢がほかのゾウたちよりも遅く、出産間隔も広いため、寿命も長いですが一世代の長さが31年もあります。このため密猟の影響はさらに深刻で、いったん減りはじめてしまった個体群の数を回復させるのは至難の業なのです。
 
UAPACAA国際保全パートナーズでは、カメルーン・ロベケ国立公園支援、そしてDRCのバリ地区への国際協力を通じて、引き続きマルミミゾウの保護に貢献していきます。

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