コロナ禍の、その先の
​エコツーリズムを目指して

UAPACAAパートナーズは、コンゴ民主共和国のテケの人たちが立ち上げた環境保全NPO「Mbou Mon Tour(ボー・モン・トゥール)」と協力し、エコツーリズムの振興によるボノボの保全と地域の貧困削減を目指した、新しいプロジェクトを開始します。
​2022年度採択 地球環境基金助成プロジェクト
「コンゴ民主共和国における新型コロナ感染症の観光業とMBALIコミュニティへの影響評価と復興―ボノボ・エコツーリズム振興を通じて、絶滅危惧種の保護と持続可能な農村開発の両立を実現する」
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「ボノボの里」のボノボたち:出張の報告その3

27/4/2023

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今回は、2月に訪問したコンゴ民主共和国(DRC)の「ボノボの里」Mbali地区についての、取材報告第3弾です。今回は、ボノボの観察についてご報告したいと思います。
出張の際に出会ったボノボたちの動画はこちらから☟
Mbali地区で保全活動をおこなっているNPOボー・モン・トゥール(Mbou Mon Tour:MMT)は、エコツーリズムを盛り上げることによる地域振興を目標の一つとして掲げています。安定した雇用を生み出す企業活動や産業が乏しいこの地域では、住民は自給的な農耕に生活を頼っています。日々の糧には困らないかもしれませんが、教育や医療を受けるにはある程度まとまった現金を工面する必要があります。
そのため、エコツーリズムにより旅行客がやって来るようになれば、地域にお金が入り、ツーリズムを維持するための雇用が生み出されることが期待されています。さらにエコツーリズムからの利益は、MMTによる保全活動を後押しすることにも繋がります。

​MMTが掲げるエコツーリズムの目玉となるのは、もちろんボノボです。世界広しといえども、ボノボが生息しているのはDRCの一部だけです。そして、コンゴ広しといえども、野生のボノボを観察することが出来る場所で、普通の旅行客にもアクセスが容易なのは、実はMbali地区しかありません。そのため、MMTは霊長類学者やWWF(世界自然保護基金)DRCと連携しながら、ベースキャンプ近隣のボノボのグループの追跡を行い、個体識別やポピュレーションの推移、そして人づけといった、基礎調査的な活動もおこなってきました。
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ボノボ観察での一幕
今回の現地訪問では、MMTのゲストハウスに一番近いNkala村のボノボを見に行くことが出来ました。ボノボは毎日森の中を移動しており、決まった寝床はありません。そのため、思いつきで森に入っても、なかなか彼らと出会うことは出来ません。そこで頼りになるのが、ボノボの追跡を行うトラッカーたちです。現地ではフランス語でピステールと呼ばれる彼らは、ボノボの追跡と観察のスペシャリストです。彼らは、ボノボが地面に残した痕跡を辿り、そして見事に発見することが出来れば、夕暮れまでグループを観察しながら一緒に移動します。日が暮れる頃になると、ボノボたちは樹上にベッドを作り就寝し、朝まで移動しません。トラッカーたちは、ボノボが寝るのを見届けてから、集落へ戻ります。このように、ボノボたちの寝場所を確認しておけば、翌朝、確実にボノボを観察することが出来るのです。

観察の当日は、まだ日も昇らない4時に起床し、簡単な朝食をとって4時50分にMMTのランドクルーザーに乗り込み出発でした。5時15分頃、10キロほど走ったところで下車し草原に入っていきます。遠くにうっすらと森が見えますが、まだまだ真っ暗なので、ヘッドランプの明かりを頼りに進みます。夜露に濡れた草原をかき分けて進むので、カッパやウィンドブレーカーは必須です。

​やがて、草原が終わって木々が立て込むようになります。ボノボの棲む森に到着です。しばらく進むと、急に下り坂になり、沢を越えると今度は急な上りです。息を荒くしながら上ると、さらに森の木々も密度を増していき、どんどん歩きづらくなってきます。やがて、先を進むトラッカーたちが足を止めて林冠を見上げ始めました。ボノボたちのベッドに到着です。時間は5時55分でした。下車してから40分程度でボノボのベッドまでたどり着いたことになりますので、今回はラッキーだったかもしれません。

とは言え、​林冠からうっすらと見える空は徐々に明るくなってきていますが、木々の根元にいる我々の周りはまだまだ薄暗い状態です。トラッカーたちが、あそこにベッドがあるよと教えてくれるのですが、なかなか見えません。しかし、夜が明けて行くにつれ、ボノボたちも目を覚まし、動きはじめました。数十メートル離れた樹上で、枝の上を軽々と行き交いつつ、たまに立ち止まったり枝に座ったりしながらジッとこちらに顔を向けます。いつもと違う見慣れない人間(私たちのことです)がいるので、彼らも気になっているようです。こちらも思わず、リンガラ語で「こんにちは」という意味の「ボテー!」と声を漏らしてしまいました。やがて、彼らも慣れて興味を失ってしまったのか、こちらにはほとんど興味を示さなくなり、最初のビデオにあるように、忙しく樹上を行き交いながら木の実を食べたり、ビャー!っと鳴いてケンカをはじめたりしました。​
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2/14「世界ボノボの日」オンライン・イベントで話すトラッカーのマンドゥ(中央)。彼がNkalaの森も案内してくれました。
そうしたボノボの様子を観察しながら、トラッカーたちがこの森に棲むボノボのグループについて説明してくれます。彼らによると、現在、Nkala村の森に住むボノボはオス5頭、メス3頭、子供3頭の計11頭のグループです。以前はもっと大所帯だったそうですが、人間からうつされたであろうインフルエンザが大流行し、個体数を減らしてしまったそうです。よく人に慣れたグループは、すぐ近くまで寄って観察することが出来ますが、同時にこのような感染症のリスクが出てきてしまいます。ただ、Nkalaのグループは数を減らしてしまったとは言え、幸いなことに3頭の雌がそれぞれ子育ての真っ最中でしたので、これから個体数が戻っていくことも期待できます!

その後も観察を続けていると、夜も明けきった7時頃から、ボノボたちは樹上から地面へと下りはじめました。移動です。もちろん我々も、トラッカーたちを先頭に後を追います。ボノボは入り組んだ下生えの間をすり抜けてヒョイヒョイと進んでいきますが、人間はそうはいきません。藪があれば迂回し、歩きやすいところを通っていくので離される一方です。たまに追いつくと、最後尾のボノボが「おや、まだ追いかけてきてたの?」とばかりにこちらに一瞥をくれますが、もちろん彼らはわれわれを待ってくれません。足を止めることもなく、どんどん先に進んで行ってしまいます。

そのまま、ボノボたちはマランタセ(クズウコン科の高さ2メートルにもなる巨大な草)の群生地に入り込んでしまいました。人間にとっても美味しい総菜になりますが、彼らはこの新芽が大好きなのです。でも(ボノボたちには何ともないのかもしれませんが)人間がこの密生した藪の中を進むのは骨が折れ、しかも観えないところで何時間も食べたり昼寝したり...トラッカーたちのアドバイスに従って、この日は9時頃に観察を切り上げました。

また別の日には、ゲストハウスから歩いて行ける森に、まだ人づけされていないボノボがいるということで、そちらの確認にも行きました。徒歩で30分程度のところにある森で、流石にボノボの観察はかないませんでしたが、真新しいベッドの残骸を発見! 確かにこの森にボノボのグループがいることがわかりました。同行していたMMTのキャンプマネージャーのイノサン氏も手応えを感じたようで、代表の岡安の勧めもあって、この森のボノボたちの人づけを始めるとのことでした。ゲストハウスから徒歩圏内でボノボを観察できるとなれば、ボノボ・エコツアーの魅力がさらに広がります。

今回の現地訪問では、このような今後の展開に繋がる希望も、確かに見ることが出来ました。(山口)
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このプロジェクトは地球環境基金の支援を受けて実施されました。
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