新しい年度が始まりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。山口です。 今回から3回に渡って、先日の第3回オンラインイベントの報告記事では触れなかった、2月のコンゴ民主共和国(DRC)への出張で見聞きしたことを皆さまにご報告したいと思います。 今回の出張先は、これまでにもイベントやこの一連の記事でご紹介してきた、DRC、マイ・ンドンベ州の「ボノボの里」であるMbali地区です。こちらももはやお馴染みとなってきた(?)、現地で保全活動を行っている地元NPO法人のMbou Mon Tour(ボー・モン・トゥール;MMT)とUAPACAAパートナーズが共に実施する、エコツーリズム振興プロジェクトについて現地取材をするのが目的です。 2月6日に日本を出国しパリで一泊、DRCの首都キンシャサに到着したのは7日の日没後でした。約半年ぶりのキンシャサは、相変わらず熱気に満ちあふれていました。実は、預けていたスーツケースがロストしてしまい出だしからトホホな状態だったのですが、人びとのエネルギーで少しは癒やされたように思います。 2月8日は、先着していたUAPACAA代表の岡安と合流し、MMTのキンシャサオフィスに向かいました。代表のジャン・クリストフ氏と経理・総務部長のミシェル氏に挨拶し、今回の取材に同行することになっている副代表のクロード氏、Mbali地区でのゲストハウス管理ディレクターのイノサン氏、MMTが提携しているカメラマンであるベテル氏らと打ち合わせをしました。 2月10日に、いよいよ出発です。コンゴ河のほとりにあるヨットクラブから、Mbali地区の最寄りの港町であるチュンビリに向かいます。今回利用した高速艇は、実際のエコツアーでも用いられるものです。 出港は11時過ぎでした。乗り合わせたのは日本人2名、MMT関係者3名、船員2名の計7名です。映像を見ていただければ分かりますが、ホントに早い!雄大なコンゴ河の水面を、まさに飛ぶように走り抜けていく感じです。帰路にGPSで確認したところ、下りでしたが時速70キロメートル近く出ていました。 コンゴ河は、世界第2位の流域面積を誇る大河です。その流域に広がるコンゴ盆地の熱帯林には、ゴリラやチンパンジー、そしてボノボといった稀少な類人猿を含む多種多様な固有種が生息しています。生物多様性という観点から非常に重要であると同時に、古くから人と物の移動に欠かせない、いわば中部アフリカの大動脈ともいえる役割を果たしてきました。 今回の船旅でも、住民の足であり水上版「長距離バス」であるバリニエが、頻繁に行き交っていました。映像にも出てくるバリニエは木製の大型客船で、数日間かけて河川沿いの町を往復しています。また、タグボートに押されて進む水上版「貨物列車」は、荷物の上に人びとがテントを張って生活しているため、さながら「動く町」と化しています。約10年前、初めて目にしたときには、あまりのスケールに目を疑いました。 こちらは、首都キンシャサと中東部の大都市キサンガニの間を、数ヶ月かけて往復しているものもあります。ちなみに、食料は川沿いで生活している人びとから買うそうです。船が通りかかるのを待ち構えていて、カヌーで売りに来るとか。 我々の利用したMMTのモーターボートは、キンシャサからチュンビリまでを5時間ほどで行ってしまいますし、船内には水も軽食も用意されていましたので、ご安心ください! チュンビリからは、これまたMMTの所有するランドクルーザーで移動…のはずが、ここ数日の雨で、道中の湿地帯にかかる橋が落ちかけているとのことで、バイクタクシーに乗せてもらって、MMTのゲストハウスへ向かいました。 なんだかんだで到着は夜8時になりましたが、用意されていた地元料理がとても美味しく、「あぁ、コンゴに帰ってきたなぁ」と大感激で長旅の疲れも吹き飛びました。 (つづく)
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