2年前、2020年の今日は「UN Decade on Ecosystem Restoration(国連生態系回復の10年)」ローンチでした。前回お送りした、5月22日の「国際生物多様性の日(IDB)」に続き、環境月間に突入した6月。ちなみにIDBは、2010年@名古屋の第10回生物多様性条約締約国会議(CBDCOP10)で、議長国だった日本に関係が深い記念日です。初めて自然保護を国連の中心課題に据えた、日本からの「UN Decade on Biodiversity(国連生物多様性の10年)」提案が、2010年の暮れに国連の決議として採択され、翌年、ローンチされた日に当たります。以来、生物多様性条約事務局が中心となり、国際社会での普及啓発を目的として、5月22日はInternational Day for Biological Diversity(国際生物多様性の日)の各種イベントが各国で執り行われています。 あいにく、CBDCOP10議長国としての2年だけでなく、国連のこの10年キャンペーンを中心的に盛り上げる立場にあった日本を、2011年3月11日、東日本大震災が襲いました(皮肉なことに、国連の決議文書の日付がこの日です)。震災だけでなく原発事故という悲劇を伴ったこの災害は、自分たちが暮らすエネルギー源を考える上では、日本だけでなく世界にも大きな影響を与えました。 そしてこの「国連生物多様性の10年」が決着する2020年には、今度は世界をコロナのパンデミックが襲いました。それから2年の今日、国際社会はようやく長いトンネルを抜けようとしています。たかだか10年というタイムスケールで、日本人にとっては嫌でも自然環境問題を考えさせられる、大きな出来事が続いています(大地震に関しては、さらに短期間に各地で...)。 IDBの記事でも取り上げましたが、現在進行形のこの10年は生態系回復の10年。 21世紀の初めには、さまざまな環境問題のトレンドが「2030年までに下降線をたどらないと」とクローズアップされていましたが、現実はビジネス・アズ・ユージュアルのままカウントダウンに突入しようとしています。それを自覚している国際社会は、とうとう「止める」施策から「回復」というプロアクティブな施策に舵を切る、大方針転換を承認しました。
0 コメント
あなたのコメントは承認後に投稿されます。
返信を残す |