私たちのプロジェクト対象地域、カメルーン東南部の熱帯雨林に住む狩猟採集民バカは、ピグミーという総称で呼ばれている人々だ。アフリカ中部にはコンゴ盆地を中心に8つほどのピグミーが散在し、多くの共通点を持つ。その中でも普遍的に見られるのが、特徴的な歌と踊りの儀式「べ」である。バカたちも他のピグミーと同じように「森の精霊」が登場する儀式を夜な夜な行なっている。 夜、人々は集落の広場に集まり、歌とダンスを楽しむ。この「べ」と呼ばれる集いには、10の精霊が登場し、それぞれキャラクターを持っている。精霊に扮した男性たちは、役に応じて体を痙攣(けいれん)させるように絶えず動く。踊り手はアドリブで森の中へ入ったり、戻ってきたり色々な舞台を演じる。もう一つ、ベに欠かせないのが女性の歌い手だ。彼女たちは裏声を使ったり、様々な音を出したりして、多声音声(ポリフォニー)を奏でる。 観客はより質の高いパフォーマンスを期待して歓声をより大きくあげ、歌い手も盛り上げようと一心に歌う。そしてダンサーはそれに応えて更に激しく熱心に踊る。このようにお互い刺激し合いながら作り上げている儀式なのだ。ダンサーと歌手と森の音が混ざり合って一つになる迫力のショーを是非この目で観てみたい。 【もっとお読みになりたい方はこちら】
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