ゾウと象牙をめぐる情勢

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血を流すマルミミゾウたち-2019年の違法象牙摘発状況

12/8/2020

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カメルーンから、8月12日のWorld Elephant Dayに向け、昨年の密猟象牙摘発状況に関する報告が届きました。
画像長距離トラックに隠されていた象牙
野生動物犯罪マフィアの暗躍ふたたび
 WWFカメルーンの記録によれば、政府当局による昨年1年間の象牙の押収数は169本に上り、残念ながら2018年の153本より増えてしまいました。この数字は、カメルーン国内で密猟の犠牲になるゾウの数が、増加傾向にあることを示唆しています。
 他方で、2019年に検挙された違法取引業者の数は12人と、2018年の24人、2017年の144人、2016年の44人から大幅に減っています。12人のうち5人は、管轄裁判所により半年から1年の実刑(懲役刑)に処されました。
 また裁判所の判決で、保護区を管轄する森林野生動物省に対しての損害賠償として約1500万セーファーフラン($ 24.443)、違法行為に対する罰金として945.000セーファーフラン($ 1.603)の支払いが命じられるケースもありました。密猟と国際違法取引に手を染める、国内の業者へのこういった対抗措置は、危険を冒してまで犯罪に手を染めるリスクを内外に明示し、暗躍する国際マフィアの洗い出しに貢献することが期待されます。
 野生動物に関わる国際犯罪に競り勝つため、昨年WWFは、ンキ、ブンバ・ベキ、カンポ‐マーアンの国立公園、ゴイラ野生動物保護区とゴイラ‐ミントン野生動物取締事務所に配属されている、森林野生動物省のレンジャー63人に研修機会を提供しました。具体的な野生動物保護関連法体制を活用して容疑者逮捕のプロセスを訓練し、また取り締まりの中での地元コミュニティに対する接し方、特に彼らの生存権に関わる権利の尊重を学ぶことは、地域住民からの協力を引き出し、保護活動を維持するのに欠かせない技術です。

画像
カメルーン南東端に位置するンキ、ブンバ・ベキ両国立公園は、ロベケ国立公園の西隣
画像密猟の犠牲となり、牙を抜かれたゾウ
対立から協働へ、地元コミュニティも密猟対策に立ち上がる!
 この象牙目当ての大規模密猟の再現と地元社会や自然環境への悪影響を見て、地元コミュニティも密猟防止へ立ち上がりました。WWFはその中のGIC CODENZOPという、ジャー・オザラ・ミンケベ(TRIDOM)多国間ランドスケープのカメルーン域内の住民組織に対して、情報収集や密猟など違法行為の告発手続の技術研修を行い、さらに地方自治体や管轄裁判所との協働体制を整える後方支援を行いました。
​「役場や裁判所の支援は、われわれが野生動物犯罪と対峙する際の大きな支えになります。これらの官庁と協力して、密猟問題を解決するのを楽しみにしています」と、GIC CODENZOPのコーディネーター、ソジャ・ドニ・アシルは期待を込めて語りました。
 また、WWF中部アフリカの野生動物犯罪対策班長であるアラン・オノニノは、
「多くのコミュニティが、自分の生活する地域で行われる密猟がもたらす被害について、意識するようになりました。ロベケ国立公園の属するサンガ多国間(TNS)ランドスケープと隣のTRIDOM多国間ランドスケープでは、密猟に対して地元コミュニティ自らが法的措置で対抗しはじめています」と話しています。

画像2017年に発表されたレポート(関連記事へ画像をクリック)
 しかし、汚職や縦割り行政の弊害、また野生動物関連法体制と措置の不徹底、裁判所処分の不履行など、まだまだ課題が山積しているのも現状です。摘発される犯罪者の数は減っても1件1件の規模が大きいのは、そんな抜け道をつく組織的な密猟マフィアの暗躍が続いていることがうかがわれ、2019年は押収される象牙が増加。マルミミゾウたちにとって、悪夢の再来となってしまったのです。
​​​ 今のところ、UAPACAAパートナーズが協力するロベケ国立公園では、日本から続けてきた支援のかいもあって、TRIDOMランドスケープのように、コンゴから越境してくる国際密猟団によって、4年足らずのうちにマルミミゾウの75%以上が失われるという事態は免れています。

画像ロベケはマルミミゾウの最後の楽園
新たな苦難:新型コロナ感染症のパンデミック
 そして迎えた2020年。
​ UAPACAA国際保全パートナーズでは、昨年のクラウドファンディングで多くの皆さまのご支援を得て、ロベケ国立公園に新しいランドクルーザーを贈ることができました。今も現場で、国立公園当局や地元コミュニティの密猟対策に役立てられています。
 しかし今度は、新型コロナ感染症のパンデミックという、全世界が未曾有の脅威にさらされる日々がやってきてしまいました。カメルーンでは3月中旬から国境封鎖が続き、公式に移動が制限される感染拡大防止策の中、遠隔地に位置する保護区に監視の目が届かなくなることが懸念されています。非常事態のもと、効果的にロベケのゾウやその他の野生動物たちを守るために、さらにどんな支援が必要か、現地WWFや国立公園事務所と検討を重ねているところです。
 皆さまもぜひ、現地支援にご協力ください!

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「過去最大」続きだった2019年

31/1/2020

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画像scaly anteater(うろこアリクイ)の別名を持つセンザンコウ©︎Nik Borrow 2016 (CC BY-NC 2.0)
​ 土曜日の新月から始まった旧正月も昨日で終わり、一区切りですね。一年の計は元旦にあり!のタイミングを逃さぬよう、ウワパカでも昨年の密猟問題を振り返りたいと思います。
 前回触れた、シンガポールの象牙国内取引禁止の発表は8月のことでした。実は、その直前の7月に、シンガポールでは象牙とセンザンコウのうろこの密輸が摘発されていました。ベトナム行きの船便から見つかった象牙の量は8.8トン。シンガポール史上最大規模でした。
 2019年は、アジア各地で大規模な密輸の摘発が続いた年でした。2月には香港で、「香港史上最高額」のセンザンコウのうろこと象牙の密輸が摘発され、3月にベトナムで見つかった9.1トンの象牙は、史上最大規模の摘発でした。
 4月にはシンガポールで13トン近いうろこが見つかり、「過去最大規模」の報道がありました。さらにその翌週には、また同様の摘発が! 合わせて26トンもの押収となったようです。26トンのうろこは、おおよそセンザンコウ 38,000匹分にあたります。毎年およそ10万匹が密猟のターゲットとなり、ベトナムやアジアに送られているとも言われるセンザンコウ(※1)。そして日本各地にいるニホンザルの数は、推定15万匹です(※2)。密猟のスケールの大きさが思い知らされます。
 年の後半になっても、残念ながらその勢いは衰えず、12月には中国・温州で再び、10トンを越える
うろこの摘発…と、2019年は次々にアフリカ発アジア行きの船便での密輸が、次々に発覚しました。

画像トルコの豪華な前菜「メゼ」
​ グローバル化が進んだ今、こんな情報も日本に居ながらにして手に入ります。海外からの商品を注文するのも実に簡単です。ほんの2、3年前には、まさか日本で中東料理のフムスやファラフェルが流行る日がくるなんて、想像しませんでした。
 でも、アジアで密輸の「過去最大」規模の更新が続く中、アフリカ現地では、何が起きているのか?そういった情報はなかなか日本に届きません。
​ カメルーンやブータン 、コンゴの森をフィールドに、正確に知ることを目指して、現実を日本に伝えていく。私たちウワパカの使命をしっかり胸に刻んで2020年に漕ぎ出したいと思います。 今年もどうぞよろしくお願いいたします!

画像
※1  出典:https://www.bbc.com/news/world-asia-47088694
※2 都道府県などによる既存情報と、外挿法による調査空白域の推定値を合算により推定群れ数:3,025-3,149(中央値3,069)、推定個体数:145,973-165,062(中央値154,805)。平成23年 生物多様性センター発表資料による
http://www.biodic.go.jp/kiso/tokudo_kiso_f.html
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「ほしい」誘惑はどこから来る?

8/1/2020

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画像 ©︎ Francis Garrard (出典: ​Conservation Action Trust)
​ お正月休みも終わり、通常運転に戻りつつある新年2週目。クリスマスから新年にかけてのきらびやかな街では、お財布の紐もゆるみがちだったかもしれません。でもUAPACAAパートナーズの事務所がある葉山には駅もショッピングセンターもないので、移動中につい寄り道なんて誘惑も少なく、商品を目にすることがなければ欲しくもならないことを実感しています。
 なぜ今、特に「誘惑」に思いを巡らしているかといえば、UAPACAAパートナーズが注目している、アフリカ各地でのゾウの密猟急増の背後には、象牙をアクセサリーや装飾品に用いる、アジアの国々からの需要があるからです。
近年は、そのアジアで「国内取引停止」への動きが高まっており、今後の市場や密猟にどう影響するのか気になるところです。
 象牙の最大市場であった中国が、製造・取引を禁止したのが2年前の2017年末。ちょうど2年後の2021年末には香港で象牙の国内取引が禁止されます。
 そして、さらにシンガポールが昨年の8月に、2021年9月から象牙の国内販売を禁止する事を発表しました。密猟された象牙を取り扱う主要市場のひとつが、また閉鎖されることになります。アジアの外に目を向けても、イスラエルとオーストラリアがシンガポール同様に、国内取引禁止の計画を進めており、象牙の国内市場を持つのは、日本と、ドイツとスペインを含む数カ国を残すのみとなります。

 シンガポール国立公園局の発表で述べられているのは「象牙と象牙製品の販売および販売目的でのそれらの陳列の禁止を意味する」ということです。象牙が商品として値札と一緒にディスプレイされている、そんな様子を目にすることもなくなれば、象牙を欲しいと思う人の数も減るかもしれません。

画像レンジャーの勇姿!
 専門家による推定では、1日あたりおよそ100頭のアフリカゾウが密猟されており、残りはわずか40万頭であるといいます。アジアの消費行動とは無縁に生きているアフリカゾウたちが、密猟の犠牲となって象牙が売買されている、その違和感が頭をもたげます。国際取引はすでに禁止されているにもかかわらず、仲介業者の存在やオンラインショッピングの広がりにより取引が複雑化しているため、密猟された象牙が合法な市場に入り込む抜け穴も増えています。
 取引が複雑になるということは、不特定・多数の人の手を介して象牙が買い手の元に来るということ。近所の農家の直売所や駅前のレンバイで、作り手と話しながら野菜を買うのとは対極にある取引のようです。売られているお漬物も生産者の手で加工されたもの、これ以上の透明性はありません。レンバイからUAPACAAパートナーズの事務所を経て、我が家の食卓にやってきた白菜のお漬物を食べながら、象牙に思考を巡らせる年明けを迎えたのでした。

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象牙取引賛成、反対?分裂するアフリカ諸国

29/10/2019

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 ​今や、象牙の国際取引への注目はアフリカを超えて世界中に広まり、その傾向は野生動物の減少と保護への関心の高まりとともに、年々強まっている。今回は象牙取引の再開を求める国と厳しい規制を望む国が共存する、アフリカ諸国の分裂について見ていきたい。
画像©︎ Krissie Clark (出典:conservation action trust)
 南部アフリカ諸国では以前からたびたび、象牙取引再開を訴える動きは見られる。2016年の第17回ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)締約国会議(COP17)では南アフリカ共和国、ジンバブエ、ナミビアが、象牙の国際取引再開の提案をしている。2018年には、野生動物保護の優等生と呼ばれていたボツワナが、政権交代を機に象牙取引再開に方針転換。その年の8月、ヴィクトリア滝で開かれたAU国連野生動物経済サミットでは、ジンバブエの大統領がスポーツハンティングを賞賛し、象牙の国際取引推進の意向を発表した。そして、今年8月に開かれたCITESのCOP18で、ボツワナとザンビアを加えた5カ国が、象牙取引再開案を再提出している。
  他方で、象牙取引の規制強化を望んでいるのは、ケニア、エチオピア、ガボン、コートジボワール、ニジェール、ブルキナファソ、アンゴラ、中央アフリカ、チャド、セネガルなど西、中部、東アフリカ諸国である。COP17ではこれらの国々が、違反した場合は法的措置をもって国内市場を閉鎖するよう提案している。またCOP18でも、ケニア、エチオピア、ガボン、コートジボワール、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、リベリアが「密猟や違法取引」への関与のいかんに関わらず、国内取引を禁止する提案を出した。

  アフリカ内で分裂が起きた要因として、野生動物の分布の偏りが挙げられる。例えばアフリカゾウは、7割がアフリカ南部に生息するといわれ、その中でもボツワナに、全個体数の3分の1が生息している。これらの国々では、特に大型の野生動物を利用した観光収入の国家予算に占める割合が非常に高いが、他方で増えすぎた動物による獣害も問題になっている。そこで南部アフリカ諸国は、独自調査をもとに、「アフリカゾウは増加している」と主張し、「獣害を減らすために、スポーツハンティングの促進および象牙の国際取引を再開し、収益金を保護活動や地域へ還元する」とするが、大問題となっている密猟対策への貢献ははなはだ心もとない。反対に、西部や中部アフリカの国々では大型哺乳類が減り続け、時にはインフラや治安の悪さも加わり、観光業は未発達で恩恵をあまり受けていない。そんな中で、高く売れる象牙を求めて国境を越えてやってくる、武装勢力やテロリストの存在が保護活動を難航させ、住民の生活も脅かしている。
​​  しかしながら、もしも中西部アフリカと南部アフリカの現状が逆だったら、正反対の立場で同じ分裂が起こっていたかもしれない。アフリカ諸国に限らず、利益誘導や政治利用のために、各国は掌を返したように野生動物保護の立場を変えることがある。今や密猟や自然保護もグローバリゼーションの波に飲まれ、世界中の国家、政治家、企業、個人の利害関係が複雑に絡んだデリケートな問題となった。一見答えが明白な今回のCITESにおける象牙取引の議論も、長い目でみれば一筋縄では行かないだろう。

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日本の象牙市場、どうなるのか

1/10/2019

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画像CITESより
 以前、ブログ(日本は象牙大国!?)で紹介したように、日本は先進国の中でも象牙の国内取引を認めている数少ない国の一つである。ところが野生生物の違法取引会議(以下IWT会議)やワンシントン条約締約国会議などでは、象牙の国内市場を閉鎖する動きが盛んに見られる。
​ 今年の8月に開催された、世界野生生物会議(World Wildlife Conference)として知られる第18回ワンシントン条約締約国会議(CITES COP18)でも主要な論点となった。開催前に、たびたび国内取引の停止を求める勧告がなされ、COP18でも、「密猟と違法取引に関わる市場」か、否かに関わらず、国内市場を持つ全ての国への取引停止案が審議された。しかしながら、COPはあくまで国のあいだの取引の規制を設ける機関であり、国内法に踏み込むことはできなかった。
 象牙輸入大国であった中国は、2017年末をもって国内市場を全面閉鎖した。ところが隣国の法体制の脆弱な国や国内市場を持つ日本などから違法象牙が流入し、闇市場の温床となっていると言われる。日本から主に中国へ輸出された象牙の押収量は、2011年から2016年の間に2.42トン(WWF Japan)。今年になっても日本や東南アジアからの密輸象牙が押収されている。このような事実が明らかになっても、今回のCOP18でも日本は一貫して、科学的調査に基づく正当な規制が重要であり、国内市場は厳重な管理のもと監視されているため閉鎖するに及ばないと主張している。同じくEUも象牙市場の閉鎖に応じず、
IWTにおいてアメリカ、イギリス、中国と日本、EUの二極化がますます進むことになった。
  経済のグローバリゼーションが地球の隅々まで行き渡った現在、野生生物の密輸を阻止するためには、原産国のみならず市場を持つ国の需要を徹底的に排除することが重要になっている。たとえIWTに直接関与していなくとも、日本の市場に違法取引はないと断言してしまうのは、実態にそぐわないのではないだろうか。象牙取引大国であった中国はタイミングを逃さず、COPの中でうまく立ち回り、今や他の先進国とともに、野生生物保護の国際交渉の中で存在感を発揮している。
​​ 来年、オリンピック開催を控える日本にとって、海外に向けて発信できる環境面でのアプローチは必須である。今こそ象牙に固執する姿勢を転換し、自然保護への意識が盛り上がる、世界の流れを読むことが必要ではないだろうか。

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象牙取引大国、王座を退く

11/7/2019

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画像
​ 2017年12月31日、中国は国内の象牙取引を全面禁止した。それまで中国は、世界一大きな象牙市場を持ち、国内で合法的に取引が認められていた。アフリカで密猟された象牙の多くは、アジアの市場に送られると言われる。富のシンボルとして人気の高い象牙は、アジアで持続的な需要があるからだ。国際社会の圧力とはいえ、その中心地となっていた中国が象牙取引から手を引いたことは、野生動物保護・密猟撲滅にとってインパクトのある動きだ。
  しかし、この法律と国民の間には、深い溝があるようだ。2018年から象牙の売買が全面禁止され、表向きは密輸品が締め出されたように見えるが、闇市場となって流通し、近隣諸国から流れ込んで来ることを防ぐのは並大抵ではないだろう。
  この闇市場が生き長らえている理由には、実は日本も関係している。戦後の高度経済成長期、1980年代頃まで、日本は世界最大の象牙輸入国だった。そう、今の中国と同じように、富裕層が象牙製品を競って購入した。その後、象牙収集の熱は収まったが、当時の象牙は備蓄となって、現在も国内に残っている。
  2011年〜2016年の間に日本から違法に輸出された象牙は約2,4トン(アフリカゾウ約120頭分) 、その95%が中国向けだった(
WWF ジャパン調査より)。中国の国内市場が閉鎖された今、日本は合法な象牙の国内市場が残る、今や世界で唯一の先進国と言っていい。その国内市場を通じて、違法に持ち出される象牙が闇市場を潤しており、しかも日本の水際では流出を防げず、ほとんどが中国で押収されている。
  このような状態が続けば、日本はアジアの新たな闇市場になりかねないが、中国同様、象牙問題に対する日本人の関心は低い。知らない間に犯罪者 にならぬよう、皆が身の周りに出まわる野生動物由来の製品を買わない/売らないことで、アジアの密輸ルートの撲滅に繋がるかもしれないことを思い出したい。
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大絶滅時代?

21/6/2019

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違法象牙取引に反対し、取り締まりで押収された象牙(製品)を焼却して、密猟との決別を意思表示する生息国(ガボン:2012年)
​ 昨夕のメルマガ配信をきっかけに、クラウドファンディングが盛り上がりを見せ、ロベケ国立公園にランドクルーザーを贈れる可能性が出てきた。皆さま、ありがとうございます! そしてあと一押し、達成へのご支援をよろしくお願いいたします!!
 そんな中、国立科学博物館の林良博館長にも、Facebookを通じて応援コメントをお寄せいただき、プロジェクトに弾みがついた。こちらも深く感謝申し上げます。
 国立科学博物館というと、私には9年前、名古屋で開催された「第10回生物多様性条約締約国会議」に合わせ、開催された「大哺乳類展ー陸のなかまたち/海のなかまたち」の企画展が思い出される。当時はWWFジャパンの職員として、
ギャラリートークを担当させていただいた。
 そしてつい一週間前まで「
大哺乳類展2」が、「ただいま!」と科博で開催されていたのだ!何という奇遇...
画像樹上で木の実を食べるチンパンジー(ロベケ国立公園)
 奇遇と思うのは、そのテーマの違い。
 2010年には「陸のなかまたち/海のなかまたち」、今回は「みんなの生き残り作戦」
 前者はどれだけたくさんの生物種がいるか、どんな関係性があるか、まさに生物多様性とは何ぞや?の話で、私は写真にあるロベケのチンプも含め、自分の専門の類人猿から観た動物たちの話をしたのだった。確かに絶滅危惧種も中心ではあったが、今のように差し迫った状況が共通認識となるには、まだ数年の猶予が必要だった。
 ところが9年後の現在、カメルーンを含めたアフリカ中部で、生物多様性保全の基礎データ整備のため行われた
調査の結果は、特にゾウたちにとって悲惨ともいえるものだった。「みんなの生き残り作戦」で紹介されていたような長い年月をかけた進化の作戦は、犯罪集団の密猟の前では木っ端みじん。まさに新たな”生き残り作戦”が求められている。
 そしてこの”生き残り作戦”では、私たち自身の自覚と協力が不可欠である。次の「大哺乳類展」で、ゾウたちが「巨大哺乳類たちが間近に」のコーナーでしか会えない、悲しい絶滅動物の仲間に入ってしまう前に行動を取りたい。

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