土曜日の新月から始まった旧正月も昨日で終わり、一区切りですね。一年の計は元旦にあり!のタイミングを逃さぬよう、ウアパカでも昨年の密猟問題を振り返りたいと思います。 前回触れた、シンガポールの象牙国内取引禁止の発表は8月のことでした。実は、その直前の7月に、シンガポールでは象牙とセンザンコウのうろこの密輸が摘発されていました。ベトナム行きの船便から見つかった象牙の量は8.8トン。シンガポール史上最大規模でした。 2019年は、アジア各地で大規模な密輸の摘発が続いた年でした。2月には香港で、「香港史上最高額」のセンザンコウのうろこと象牙の密輸が摘発され、3月にベトナムで見つかった9.1トンの象牙は、史上最大規模の摘発でした。 4月にはシンガポールで13トン近いうろこが見つかり、「過去最大規模」の報道がありました。さらにその翌週には、また同様の摘発が! 合わせて26トンもの押収となったようです。26トンのうろこは、おおよそセンザンコウ 38,000匹分にあたります。毎年およそ10万匹が密猟のターゲットとなり、ベトナムやアジアに送られているとも言われるセンザンコウ(※1)。そして日本各地にいるニホンザルの数は、推定15万匹です(※2)。密猟のスケールの大きさが思い知らされます。 年の後半になっても、残念ながらその勢いは衰えず、12月には中国・温州で再び、10トンを越えるうろこの摘発…と、2019年は次々にアフリカ発アジア行きの船便での密輸が、次々に発覚しました。 グローバル化が進んだ今、こんな情報も日本に居ながらにして手に入ります。海外からの商品を注文するのも実に簡単です。ほんの2、3年前には、まさか日本で中東料理のフムスやファラフェルが流行る日がくるなんて、想像しませんでした。 でも、アジアで密輸の「過去最大」規模の更新が続く中、アフリカ現地では、何が起きているのか?そういった情報はなかなか日本に届きません。 カメルーンやブータン 、コンゴの森をフィールドに、正確に知ることを目指して、現実を日本に伝えていく。私たちウアパカの使命をしっかり胸に刻んで2020年に漕ぎ出したいと思います。 今年もどうぞよろしくお願いいたします! ※1 出典:https://www.bbc.com/news/world-asia-47088694
※2 都道府県などによる既存情報と、外挿法による調査空白域の推定値を合算により推定群れ数:3,025-3,149(中央値3,069)、推定個体数:145,973-165,062(中央値154,805)。平成23年 生物多様性センター発表資料による http://www.biodic.go.jp/kiso/tokudo_kiso_f.html
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