トラ倍増計画(TX2)に関するオンラインプログラムを、再びタイガーモブ株式会社と共催します!<7/15・7/29・8/4・8/18> |
このままでは、地球上からトラがいなくなってしまう。トラがいなくなった生態系は、果たしてどうなってしまうのか・・・私たちには想像もつきません。 ただ1つ言えるのは、「一度トラを地球から失ってしまえば、もう元には戻せない」ということ。そんな悲劇を招かないように、寅年の今、みんなでアクションを起こすために開催するのが今回の「WILDLIFE ACTION3」です。 |
当プログラムでは、UAPACAAパートナーズの岡安がWWFブータンの協力も得て監修の下、「世界トラ倍増計画」の現状について理解を深めます。野生のトラ保護の最前線では何が起こっているのか?
フィールド調査で撮影された映像を見ながら臨場感溢れるお話を聞けば、今すぐアクションを起こしたくなること必至です!最終日には、岡安やWWFブータン・スタッフなど、野生動物保護や自然保護に日々取り組むゲストを交えてディスカッションをします。トラたちを守るため、現地の人々と共にできること/日本からでもできることを、一緒に考えてみませんか。
※世界トラ倍増計画について
2010年の寅年にロシアで開催された世界トラ保護会議”トラサミット”において、トラが生息している国々は「トラ倍増計画(TX2)」に合意しました。この計画では「次の寅年(2022年)までに、野生のトラの個体数を約2倍にする 」という目標が掲げられており、3,200頭まで減ってしまったトラを約6,000頭に増やす計画でした。そして2022年になった今、インドやネパール、ブータンなどでは目標を達し個体数が増加傾向にありますが、東南アジアでは今も減少が続いています。
また、ロシアによるウクライナへの侵攻も、この計画の実現に影を落とす出来事です。ロシアのプーチン大統領は、首相だったトラ倍増計画の合意当時に、首脳宣言として自らこの目標を発表していました。国を挙げて保護に取り組むことで、資金調達や法整備などがスムーズに進むことが期待されます。しかし、ひとたび戦争が起こってしまえば、国家間協力はストップしてしまいます。一見、野生動物保護活動とは関係無いように思える戦争などの人間活動も、実は保護活動の継続や効果に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
開催日時:7月15日(金),7月29日(金/Global Tiger Day),8月4日(木),8月18日(木) 各回 日本時間19:30〜21:30
開催場所:オンライン
※開催にあたってはオンライン会議ツールのZoomを利用します。スマートフォン、タブレットなどでの参加も可能ですがPCのWebブラウザからのご参加を推奨します。各回録画します。振り返りややむを得ず欠席の場合にご活用頂けます。
参加費:社会人29,800円、学生19,800円(税込)
※最少催行人数:10名 上限なし
※皆さまからお預かりした参加費用から運営費を除いた額の10%を、UAPACAAを通じてWWFブータンのトラ保護活動に寄附します。これは現場の活動資金などに活用されます。
対象者:年齢制限なし
申し込み締め切り日:7月12日(火)23:59 方法:タイガーモブ ウェブサイトよりお申し込み
フィールド調査で撮影された映像を見ながら臨場感溢れるお話を聞けば、今すぐアクションを起こしたくなること必至です!最終日には、岡安やWWFブータン・スタッフなど、野生動物保護や自然保護に日々取り組むゲストを交えてディスカッションをします。トラたちを守るため、現地の人々と共にできること/日本からでもできることを、一緒に考えてみませんか。
※世界トラ倍増計画について
2010年の寅年にロシアで開催された世界トラ保護会議”トラサミット”において、トラが生息している国々は「トラ倍増計画(TX2)」に合意しました。この計画では「次の寅年(2022年)までに、野生のトラの個体数を約2倍にする 」という目標が掲げられており、3,200頭まで減ってしまったトラを約6,000頭に増やす計画でした。そして2022年になった今、インドやネパール、ブータンなどでは目標を達し個体数が増加傾向にありますが、東南アジアでは今も減少が続いています。
また、ロシアによるウクライナへの侵攻も、この計画の実現に影を落とす出来事です。ロシアのプーチン大統領は、首相だったトラ倍増計画の合意当時に、首脳宣言として自らこの目標を発表していました。国を挙げて保護に取り組むことで、資金調達や法整備などがスムーズに進むことが期待されます。しかし、ひとたび戦争が起こってしまえば、国家間協力はストップしてしまいます。一見、野生動物保護活動とは関係無いように思える戦争などの人間活動も、実は保護活動の継続や効果に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
開催日時:7月15日(金),7月29日(金/Global Tiger Day),8月4日(木),8月18日(木) 各回 日本時間19:30〜21:30
開催場所:オンライン
※開催にあたってはオンライン会議ツールのZoomを利用します。スマートフォン、タブレットなどでの参加も可能ですがPCのWebブラウザからのご参加を推奨します。各回録画します。振り返りややむを得ず欠席の場合にご活用頂けます。
参加費:社会人29,800円、学生19,800円(税込)
※最少催行人数:10名 上限なし
※皆さまからお預かりした参加費用から運営費を除いた額の10%を、UAPACAAを通じてWWFブータンのトラ保護活動に寄附します。これは現場の活動資金などに活用されます。
対象者:年齢制限なし
申し込み締め切り日:7月12日(火)23:59 方法:タイガーモブ ウェブサイトよりお申し込み
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日本人には馴染み深い干支ですが、古代中国からアジアに広く伝わり、暦などに使われる数詞です。この十干十二支が一回りすると、人間は「還暦」を迎え、長寿を祝う会が催されるのも、東アジアに共通の風習のようです。
ただ、十二支の中身を見ると、微妙に動物が入れ替わっていて、お国柄が出るのも面白いところ。UAPACAAパートナーズがプロジェクト支援をしているブータンでは、チベット仏教の暦を使いますが、何と卯年の代わりにネコ年があります!
12種類しか入らない動物の中で、直前に寅年があるにも関わらず、さらに猫を加えるというのは、よほどネコが身近な人々という気がします。実際、ネコ年を持つ国にふさわしく、ブータンには野生のネコの仲間が、トラを筆頭に10種類も生息しています。
ただ、十二支の中身を見ると、微妙に動物が入れ替わっていて、お国柄が出るのも面白いところ。UAPACAAパートナーズがプロジェクト支援をしているブータンでは、チベット仏教の暦を使いますが、何と卯年の代わりにネコ年があります!
12種類しか入らない動物の中で、直前に寅年があるにも関わらず、さらに猫を加えるというのは、よほどネコが身近な人々という気がします。実際、ネコ年を持つ国にふさわしく、ブータンには野生のネコの仲間が、トラを筆頭に10種類も生息しています。
インドと軒を接する南部、国境を越えたマナス保全地域(TraMCA)には、このうちユキヒョウを除く9種類が確認されています。ただ、どんなところに何頭ぐらい分布しているのか、といった生息状況については、2015年に、トラの全国調査のレポートがまとめられたところで、その他の仲間のことはわかっていません。
TraMCAの森を歩くと、川沿いの湿った砂地や、塩舐め場と呼ばれるミネラル豊富な泥地に、大小さまざまな肉球マークがついていて、さすが亜熱帯の密林と感心させられます。トラのものは自分の手を広げたより大きくて、体重で泥に深く沈み込んでいる迫力を観ると、「近くにいないでしょうね」と思わず振り返り、冷や汗が噴き出るのも確かですが…。
TraMCAの森を歩くと、川沿いの湿った砂地や、塩舐め場と呼ばれるミネラル豊富な泥地に、大小さまざまな肉球マークがついていて、さすが亜熱帯の密林と感心させられます。トラのものは自分の手を広げたより大きくて、体重で泥に深く沈み込んでいる迫力を観ると、「近くにいないでしょうね」と思わず振り返り、冷や汗が噴き出るのも確かですが…。
ネコの楽園、TraMCAランドスケープを守っていくためには、まだまだやらなければならないことが残されています。南から国境を越えて侵入してくる、密猟者の取り締まりをインド政府と協力して行うなど、国際協力が重要なことは言うまでもありません。2013年には、残念ながら識別されてモニタリングされていたトラが、密猟の犠牲になるという悲劇もありましたが、その後の協力の強化もあり、ブータンでは過去10年間でトラの個体数が増加しています。
しかしながら、昨年から世界を襲っている新型コロナのパンデミックが、どれだけ保護活動に影響してくるか見通せない、不安な状況が現地でも続いています。まずは今、日本から支援できることを、皆さまのお力でで届けさせてください!
しかしながら、昨年から世界を襲っている新型コロナのパンデミックが、どれだけ保護活動に影響してくるか見通せない、不安な状況が現地でも続いています。まずは今、日本から支援できることを、皆さまのお力でで届けさせてください!
ブータンの保護区のコリドー(緑の回廊)のひとつに設置されたカメラトラップで、3頭の元気な仔トラを連れたメストラの姿が確認されました。このメストラが最後に確認されたのは、2014年に行なわれたブータン全土一斉トラ調査の時以来で、実に7年ぶりとなります。
今回のこの印象深いメストラと仔トラの姿は、コリドーにおけるトラの生息状況、餌動物や生息地の状態を調査するCA|TS(トラ保護保証基準)簡易アセスメントの一環として設置された、カメラトラップにとらえられていました。
CA|TSは、保護活動における最適な実践と水準値をトラなどの対象種ごとに設定し、進捗が標準に達するようアセスメントを奨励するツールです。ブータンではすでに、ロイヤル・マナス国立公園とジグメ・シンゲ・ワンチュク国立公園の2つがCA|TS認証を受けています。
メストラが確認された地点を含む地域はいくつもの重要な国立公園と接しており、重要な生物学的コリドーとトラ・ランドスケープを形成しています。コリドーは保護区には含まれていませんが、CA|TS認証を受ければ最高水準のトラの保護活動が行なわれ、トラやその他の野生動物の安全な生息地として担保されるでしょう。
ブータンでは、過去10年間でトラの個体数が着実に回復しており、この国のトラたちの繁栄の証であるこの4頭の家族が、大型ネコ科動物の将来に対する希望の星なのです。
How one Tigress in Bhutan is Giving Hope for Conservation
CA|TSは、保護活動における最適な実践と水準値をトラなどの対象種ごとに設定し、進捗が標準に達するようアセスメントを奨励するツールです。ブータンではすでに、ロイヤル・マナス国立公園とジグメ・シンゲ・ワンチュク国立公園の2つがCA|TS認証を受けています。
メストラが確認された地点を含む地域はいくつもの重要な国立公園と接しており、重要な生物学的コリドーとトラ・ランドスケープを形成しています。コリドーは保護区には含まれていませんが、CA|TS認証を受ければ最高水準のトラの保護活動が行なわれ、トラやその他の野生動物の安全な生息地として担保されるでしょう。
ブータンでは、過去10年間でトラの個体数が着実に回復しており、この国のトラたちの繁栄の証であるこの4頭の家族が、大型ネコ科動物の将来に対する希望の星なのです。
How one Tigress in Bhutan is Giving Hope for Conservation
今日は11回目のGlobal Tiger Day(世界トラの日)です。
世界13のトラ生息国が一丸となって、次の寅年(2022年)までに倍増を目指すGlobal Tiger Recovery Program(世界トラ復興プログラム:英語サイト)。2010年(寅年)11月にロシアのサンクトペテルブルクで開催されたInternational Tiger Conservation Forum(国際トラ保護フォーラム)で合意され、2011年3月に出版された計画です。
2010年の段階で、各国は表にあるような目標を採択していました。
世界13のトラ生息国が一丸となって、次の寅年(2022年)までに倍増を目指すGlobal Tiger Recovery Program(世界トラ復興プログラム:英語サイト)。2010年(寅年)11月にロシアのサンクトペテルブルクで開催されたInternational Tiger Conservation Forum(国際トラ保護フォーラム)で合意され、2011年3月に出版された計画です。
2010年の段階で、各国は表にあるような目標を採択していました。
実際の全体目標としては、2010年から60%の増加を見込んだ訳ですが、それまで何十年も減り続けていたトラの生息数を増加に転じる、しかも12年をかけてトレンドが再び下向かない施策を講じながらの目標としては、大変、意欲的なものです(実は1998年の寅年にも、次の寅年2010年までに当時の野生個体数約6,000頭から倍増させる、というキャンペーンが展開されましたが、ものの見事に半減させてしまった悪夢がありました)。
そして2016年の中間ラップでは…上の表にあるように、ブータン、インドは当初目標を早くも突破、そして全体でも、最低限の推定値でも増加傾向にあることが、初めて確認されたのです!! しかしまだ、トラに対する脅威、特に密猟問題は大きく立ちはだかっており、この記事(英語)には、2000年1月から2014年4月の間に違法国際取引の犠牲になったトラが、少なくとも1,590頭に上ると報告されています。
UAPACAAパートナーズが協働するブータンでは、復興プログラムに基づいて策定された「Global Tiger Recovery Program Implementation Plan 2013-14(国際トラ復興プログラム実施計画2013-14)」の国別計画の中で、必要予算1240万ドル(約13億6千4百万円)のうち、確保されているのが三分の一以下の370万ドル(約4億7百万円)であることを訴えていました。そして最も大きな資金不足が、「コミュニティによるエコツーリズムの振興とトラ生息地に優しいキャンプや遊歩道の設置」と「緑の回廊(コリドー)の整備による生息地分断の回避」のための、各々200万ドル(約2.2億円)でした。 |
2012年からまずはWWFジャパンでTraMCAに関わるようになった代表理事の岡安は、この「トラ復興プログラム」の始動する時期と重なり、以来、日本モンキーセンターも通じた2018年までの7年間、日本の皆さまのご寄附を現地に届け続けました。この数千万円に上るご支援は、「エコツーリズム振興とトラ保護」のギャップを埋める上で大きな役割を果たし、今でも現地には日本の資金で建てられたエコロッジや、修繕されたガードポストを観ることができます。昨年のTraMCAの「Conservation Award」受賞も、長年の支援の賜物だと、現地から感謝の言葉が寄せられました。 |
そんな喜びに沸くTraMCAではありますが、昨年からの新型コロナのパンデミックに伴い、世界全体の観光業の落ち込みは底無しとも言える状況にあります。ブータンも例外ではなく、これからさらに厳しい現実が立ちはだかってくることが予想されています。
実はUAPACAAパートナーズでも昨年から、WWFブータンの要請を受けて各種の助成金に申請するなど、少しでも現地支援が継続できるよう努力してきました。しかし残念ながら不採択が続き、現地の期待に応えることができていません。
そこで今回、次に繋ぐために最も重要な「緑の回廊(コリドー)の整備による生息地分断の回避」のギャップに、まずは小さくても日本の支援を届けたいと、
200万円の目標を立て自力で寄附募集のキャンペーン
を開始しました。こちらのボタンから、ぜひ皆さまのお志をお寄せください!!
(キャンペーンは2021年9月末に終了しました。引き続き、プロジェクトへのご支援を募集中です)
実はUAPACAAパートナーズでも昨年から、WWFブータンの要請を受けて各種の助成金に申請するなど、少しでも現地支援が継続できるよう努力してきました。しかし残念ながら不採択が続き、現地の期待に応えることができていません。
そこで今回、次に繋ぐために最も重要な「緑の回廊(コリドー)の整備による生息地分断の回避」のギャップに、まずは小さくても日本の支援を届けたいと、
200万円の目標を立て自力で寄附募集のキャンペーン
を開始しました。こちらのボタンから、ぜひ皆さまのお志をお寄せください!!
(キャンペーンは2021年9月末に終了しました。引き続き、プロジェクトへのご支援を募集中です)
ブータンの南西部、インドとの国境にほど近いサムツェで初めてトラが確認されたという嬉しいニュースが飛び込んできました!
サムツェ森林保護区は、2014年から2015年にかけて、ブータン全土で実施されたトラの個体数調査時には、唯一カメラトラップでトラの姿を捉えることが出来なかった地域でした。
しかし、今回のニュースで状況は一変!
標高2,775mに設置されたカメラトラップにオスのトラの姿を捉えることに成功しました。
サムツェ森林保護区のソナム・ワンチュク氏は、「私たちの保護区にトラが確認されたことはとても嬉しく、皆喜んでいます。」と語っています。
サムツェでの今回の発見は、ブータンでの野生動物保護の新たな成功事例となりました!ブータン政府の強いリーダーシップと保護地域の厳格な管理が、この象徴的な種の保護につながっています。南部の標高100mの亜熱帯域から、北部の標高4,500mの高山帯までの幅広い生態系に、トラが分布していることがブータンの大きな特徴です。
ブータン・トラ・センター(BTC)では、今回確認されたトラがどこからやって来たのかを確認するために、所蔵するトラの個体画像と照合し、識別を進めています。
BTCセンター長のツェリン・テンパ博士(Dr. Tshering Tempa)は、「これでブータン全土にトラが生息していると主張できるようになりました。現場の同僚たちは、トラの記録を取るために大変な努力をしてきました。今回の発見は、その努力報われる素晴らしいニュースです!」と語っています。
一方で、サムツェ地区の森林担当によって、遠隔操作できるカメラトラップを使用し、トラを監視し、この地域のパトロールの強度を高める予定です。カメラトラップの設置は、サムツェの森林公園局によるレッサーパンダ調査の一環として実施されました。
ブータンでは、過去10年間でトラの個体数が着実に回復してきています。UAPACAAパートナーズの協働先であるWWFブータンは、今回のような事例を積み重ねるために、密猟の防止、調査の実施、ランドスケープ全域での生息地の保全、そして、人間と野生動物の軋轢の管理、地域社会の利益の確保などの現場の活動を支援しています。
サムツェ森林保護区は、2014年から2015年にかけて、ブータン全土で実施されたトラの個体数調査時には、唯一カメラトラップでトラの姿を捉えることが出来なかった地域でした。
しかし、今回のニュースで状況は一変!
標高2,775mに設置されたカメラトラップにオスのトラの姿を捉えることに成功しました。
サムツェ森林保護区のソナム・ワンチュク氏は、「私たちの保護区にトラが確認されたことはとても嬉しく、皆喜んでいます。」と語っています。
サムツェでの今回の発見は、ブータンでの野生動物保護の新たな成功事例となりました!ブータン政府の強いリーダーシップと保護地域の厳格な管理が、この象徴的な種の保護につながっています。南部の標高100mの亜熱帯域から、北部の標高4,500mの高山帯までの幅広い生態系に、トラが分布していることがブータンの大きな特徴です。
ブータン・トラ・センター(BTC)では、今回確認されたトラがどこからやって来たのかを確認するために、所蔵するトラの個体画像と照合し、識別を進めています。
BTCセンター長のツェリン・テンパ博士(Dr. Tshering Tempa)は、「これでブータン全土にトラが生息していると主張できるようになりました。現場の同僚たちは、トラの記録を取るために大変な努力をしてきました。今回の発見は、その努力報われる素晴らしいニュースです!」と語っています。
一方で、サムツェ地区の森林担当によって、遠隔操作できるカメラトラップを使用し、トラを監視し、この地域のパトロールの強度を高める予定です。カメラトラップの設置は、サムツェの森林公園局によるレッサーパンダ調査の一環として実施されました。
ブータンでは、過去10年間でトラの個体数が着実に回復してきています。UAPACAAパートナーズの協働先であるWWFブータンは、今回のような事例を積み重ねるために、密猟の防止、調査の実施、ランドスケープ全域での生息地の保全、そして、人間と野生動物の軋轢の管理、地域社会の利益の確保などの現場の活動を支援しています。
日本では勤労感謝の日に当たる11月23日、ブータンのロイヤル・マナス国立公園が、国境を越えたマナス保全地域(TraMCAランドスケープ)で協働しているインドのマナス・トラ保護区とともに、Tiger Conservation Excellence Award(トラ保護活動最優秀賞:英語サイト)を受賞しました。この賞は2010年11月、トラの生息国13ヵ国がInternational Tiger Conservation Forumで、「次の寅年(2022年)までに個体数倍増(TX2)計画」に合意し、10年がたったことを記念して設けられたものです。
今回、受賞の対象となったブータンとインドの2カ国にまたがるTraMCAでは、両国の稀にみる緊密な協働によって大きな成果が上がり、ロイヤル・マナス国立公園で2008年の12頭から2018年には26頭に、マナス・トラ保護地域で2010年の9頭から2018年には25頭に、それぞれトラの数が増えました。
「この受賞は、ブータンにとって大きな意味を持ちます。これは国際社会で我が国の自然保護活動が顕彰されたわけで、南アジアのこの地域でブータンが重要な役割を果たせるのみならず、世界の自然保護の局面でも、サクセスストーリーを提示できたわけですから」と、ブータン・トラ・センター長(於ゲレフー)のDr. ツェリン・テンパは語りました。これが地元コミュニティやインドのカウンターパートとの協働を進める上で、大きな励みになると。
また、ロイヤル・マナス国立公園のチーフレンジャーのサムテン・ワンチャクは、この賞は献身的な内外のパートナーとの素晴らしい協働、そしてレンジャーとコミュニティのたゆまぬハードワークの賜物だと言います。「この顕彰は、私たちが長期的視野に立った自然保護のリーダーシップを発揮しうるという証です。そして10年という長いスパンでの成功は、過去の王や政府など為政者たちの、先見の明がなければ不可能でした」
「この受賞は、ブータン政府の貢献がロイヤル・マナス国立公園の効果的な管理を、国際レベルまで引き上げたことが認識されたおかげでしょう。昨年の12月3日、マナスは世界でもトラ保護管理が最高レベルにあるという、「CA|TS(トラ保護保証基準)」委員会の認定を受けました。つまり今回の受賞に相応しい保護の成果を上げていたということです」と、WWFブータンの自然保護ダイレクター、ヴィジェイ・モクタンも称賛しました。
トラなどの野生動物の保護を推進する際の基準となる指標が、この賞を受賞した保護区には設定されており、その達成を目標に各地で対策が展開されています。
受賞団体(地域)の保護活動推進資金援助を含むこの表彰は、トラ保護保証基準委員会、IUCN(国際自然保護連合)のIntegrated Tiger Habitat Conservation Programme(トラ生息地統合保全プログラム)、世界トラ会議、UNDP、Lion's Share、そしてWWFトラ保護イニシアティブによって運営されています。
今回、受賞の対象となったブータンとインドの2カ国にまたがるTraMCAでは、両国の稀にみる緊密な協働によって大きな成果が上がり、ロイヤル・マナス国立公園で2008年の12頭から2018年には26頭に、マナス・トラ保護地域で2010年の9頭から2018年には25頭に、それぞれトラの数が増えました。
「この受賞は、ブータンにとって大きな意味を持ちます。これは国際社会で我が国の自然保護活動が顕彰されたわけで、南アジアのこの地域でブータンが重要な役割を果たせるのみならず、世界の自然保護の局面でも、サクセスストーリーを提示できたわけですから」と、ブータン・トラ・センター長(於ゲレフー)のDr. ツェリン・テンパは語りました。これが地元コミュニティやインドのカウンターパートとの協働を進める上で、大きな励みになると。
また、ロイヤル・マナス国立公園のチーフレンジャーのサムテン・ワンチャクは、この賞は献身的な内外のパートナーとの素晴らしい協働、そしてレンジャーとコミュニティのたゆまぬハードワークの賜物だと言います。「この顕彰は、私たちが長期的視野に立った自然保護のリーダーシップを発揮しうるという証です。そして10年という長いスパンでの成功は、過去の王や政府など為政者たちの、先見の明がなければ不可能でした」
「この受賞は、ブータン政府の貢献がロイヤル・マナス国立公園の効果的な管理を、国際レベルまで引き上げたことが認識されたおかげでしょう。昨年の12月3日、マナスは世界でもトラ保護管理が最高レベルにあるという、「CA|TS(トラ保護保証基準)」委員会の認定を受けました。つまり今回の受賞に相応しい保護の成果を上げていたということです」と、WWFブータンの自然保護ダイレクター、ヴィジェイ・モクタンも称賛しました。
トラなどの野生動物の保護を推進する際の基準となる指標が、この賞を受賞した保護区には設定されており、その達成を目標に各地で対策が展開されています。
受賞団体(地域)の保護活動推進資金援助を含むこの表彰は、トラ保護保証基準委員会、IUCN(国際自然保護連合)のIntegrated Tiger Habitat Conservation Programme(トラ生息地統合保全プログラム)、世界トラ会議、UNDP、Lion's Share、そしてWWFトラ保護イニシアティブによって運営されています。
2012年から、岡安が日本の皆さまのご支援をいただいて協力してきたTraMCAで、着実な成果が上がりこのような顕彰を受けることは何よりの喜びです。UAPACAAパートナーズでも引き続き、ブータンの自然保護プロジェクトに協力してまいります。
皆さまのお志を、ぜひお寄せください!
皆さまのお志を、ぜひお寄せください!
10年前に制定されたGLOBAL TIGER DAY
日本では名古屋で第10回生物多様性条約締約国会議が開催された2010年。12年に1度巡ってくる寅年だった同年には、UAPACAA国際保全パートナーズにとっても意義深い、もう一つの国際会議がロシアで開かれました。11月に、サンクトペテルブルクにトラの生息国13カ国の代表団が集合したInternational Tiger Conservation Forumで、次の寅年(2022年)までに世界のトラの数を倍増させる、という意欲的な計画を協議したのです。ネコ科で最大の体躯を誇るトラは、20世紀初めには10万頭を超える個体がアジアに広く分布していましたが、急速な経済開発に伴い、この年には推定3200頭にまで激減してしまいました。
トラの生息数をV字回復させるべく、この会議を主導したのは当時のプーチン首相。WWFのネットワークだけでなく、世銀やアメリカ政府などの後押しがあり、1年をかけて各国から自国の包括的な活動計画を含めた世界のトラ倍増計画が提案され、資金計画を含めた具体的な協議が行われたのです。この中で明らかになった不足資金を確保するため、半年後に再度のForumを開催することとともに、7月29日の「Global Tiger Day」制定が採択されました。
ブータンからは農林大臣を筆頭とした5人の代表団が派遣され、自然保護先進国として積極的に協議に参加しました。全国に散らばる保護区の中でも、南部のインドとの国境をまたぐマナス川流域は、豊かな亜熱帯林が広がる野生動物の宝庫。TraMCAランドスケープの中央に位置するロイヤル・マナス国立公園は、トラ倍増計画の最重要拠点の一つとなり、TraMCAの目指してきた中期計画の中にも、以下の目標が掲げられています。
トラの生息数をV字回復させるべく、この会議を主導したのは当時のプーチン首相。WWFのネットワークだけでなく、世銀やアメリカ政府などの後押しがあり、1年をかけて各国から自国の包括的な活動計画を含めた世界のトラ倍増計画が提案され、資金計画を含めた具体的な協議が行われたのです。この中で明らかになった不足資金を確保するため、半年後に再度のForumを開催することとともに、7月29日の「Global Tiger Day」制定が採択されました。
ブータンからは農林大臣を筆頭とした5人の代表団が派遣され、自然保護先進国として積極的に協議に参加しました。全国に散らばる保護区の中でも、南部のインドとの国境をまたぐマナス川流域は、豊かな亜熱帯林が広がる野生動物の宝庫。TraMCAランドスケープの中央に位置するロイヤル・マナス国立公園は、トラ倍増計画の最重要拠点の一つとなり、TraMCAの目指してきた中期計画の中にも、以下の目標が掲げられています。
- ベンガルトラの保護:2020年までにTraMCA内のトラの個体数を、2015年の基準値から20%増加させる
それから10年…
今年10回目のGlobal Tiger Dayにロイヤル・マナス国立公園から、次の寅年を待たずして目標達成の吉報が届きました!! ビデオをご覧ください。
今年10回目のGlobal Tiger Dayにロイヤル・マナス国立公園から、次の寅年を待たずして目標達成の吉報が届きました!! ビデオをご覧ください。
<抄訳>
皆さんは、野生のトラのいない世界、想像がつきますか…それはほとんど、現実になりつつあります。私たちは世界のトラを、絶滅の淵まで追いつめてしまったのです。
しかし2010年、人々は行動を起こしました。各国政府、自然保護関係者、国立公園レンジャー、地域コミュニティ、皆が一緒になって野生のトラを取り戻すために…以来、
ブータンのロイヤル・マナス国立公園では、トラの生息数が倍増!
ユージン・ツェリン:ジョモツァンカ野生動物保護区
「私にとってトラはエコシステムそのものです。私の夢はトラと地域コミュニティが協調の中で暮らしていくこと。いままでがそうであったように」
ネパールでは、ほぼ倍増!
サビタ・マラ(野生動物学者、シニアマネージャー):WWFネパール
「今、担当している仕事は大好きです。私は野生のトラを追っていますが、過去10年で、生息数はほぼ倍増しました。保護は正しい方向に進んでいます」
そしてインドでは、トラの数は2006年から倍増しました。
バラン:TAMS(地元コミュニティ組織)メンバー
「伝統的な知恵とコミュニティの活動を活かせば、自然保護は理想的な方向へ進んでいきます」
さらに中国北東部には、かつて生息地だった場所にトラの姿が戻りつつあります。
クゥイ・シー:ドニン森林局
「私たちは何の問題もなく、トラたちと共存しています」
これはトラにとっても、人々にとってもグッドニュースです。トラが戻るということは、私たちすべての人間が生活の基盤としている、エコシステムが守られるということだからです。
まだまだ多くのトラが、生命の危機の中で暮らしているのも事実です。でも、今、私たちが力を合わせれば、彼らの咆哮を呼び戻すことができます。
皆さんは、野生のトラのいない世界、想像がつきますか…それはほとんど、現実になりつつあります。私たちは世界のトラを、絶滅の淵まで追いつめてしまったのです。
しかし2010年、人々は行動を起こしました。各国政府、自然保護関係者、国立公園レンジャー、地域コミュニティ、皆が一緒になって野生のトラを取り戻すために…以来、
ブータンのロイヤル・マナス国立公園では、トラの生息数が倍増!
ユージン・ツェリン:ジョモツァンカ野生動物保護区
「私にとってトラはエコシステムそのものです。私の夢はトラと地域コミュニティが協調の中で暮らしていくこと。いままでがそうであったように」
ネパールでは、ほぼ倍増!
サビタ・マラ(野生動物学者、シニアマネージャー):WWFネパール
「今、担当している仕事は大好きです。私は野生のトラを追っていますが、過去10年で、生息数はほぼ倍増しました。保護は正しい方向に進んでいます」
そしてインドでは、トラの数は2006年から倍増しました。
バラン:TAMS(地元コミュニティ組織)メンバー
「伝統的な知恵とコミュニティの活動を活かせば、自然保護は理想的な方向へ進んでいきます」
さらに中国北東部には、かつて生息地だった場所にトラの姿が戻りつつあります。
クゥイ・シー:ドニン森林局
「私たちは何の問題もなく、トラたちと共存しています」
これはトラにとっても、人々にとってもグッドニュースです。トラが戻るということは、私たちすべての人間が生活の基盤としている、エコシステムが守られるということだからです。
まだまだ多くのトラが、生命の危機の中で暮らしているのも事実です。でも、今、私たちが力を合わせれば、彼らの咆哮を呼び戻すことができます。