アフリカにおける大型類人猿の分布は、ジャングルの広がりと切っても切れない縁があります。樹上生活に適応していったサルたちは、つながった森を伝って棲みかを拡大し、その過程で数多くの種に分かれていったからです。ゴリラ、チンパンジーといった大型の類人猿は、このようなサルの進化の最後に登場した仲間で、私たち人類と一番最近まで共通の祖先をもっていたと考えられます。 これは、アフリカ中部のニシゴリラ、ヒガシゴリラ2種の各2亜種の分布と、ジャングルとサバンナの広がりを表す地図です。残念ながらマウンテンゴリラとクロスリバーゴリラは、分布の東と西の果ての、ほんの小さな地域に700頭、300頭といったまとまりで残っているだけで、絶滅に瀕しています。他方、ニシローランドゴリラとヒガシローランドゴリラの分布は数か国にまたがり、上記2種に比べればそこそこの数がいます。 この広大なエリアには、ランドスケープと呼ばれる大規模な生態系のまとまりが9ヵ所認められています。いずれもゴリラやチンパンジー、あるいはボノボの重要な生息地で、マルミミゾウにとっても、大切なすみかとなるところです。50年とも80年ともいわれる寿命を生きる、これらの大型の動物たちにとって、十分な食べ物を手に入れコドモを育てていくには、森や湖、川といった生態系が連続して、大規模に残っていることが不可欠なのです。
UAPACAA国際保全パートナーズが支援するカメルーンは、地図の左上、ちょうど熱帯ジャングルとサバンナが南北を分けるように広がる国です。南の1/3はニシローランドゴリラのすみかの中心をなし、海岸近くからコンゴ河支流の深い森まで、多くの国立公園や保護区の中にゴリラの姿を認めることができます。
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