ロベケ国立公園:ゴリラとチンパンジーがともに棲む魅力
ロベケ国立公園は、カメルーンの中でも若い国立公園です。1993年にWWF(世界自然保護基金)などの国際自然保護団体による初めての調査が行われ、その豊かさが知られるようになりました。しかしその当時は、対象地域には伐採会社の伐採権が設定されており、すぐに保護区にするのは難しい状況でした。その後、これらの自然保護団体の政府に対するロビーのおかげもあって、カメルーン政府は伐採会社に権利を放棄させて、2001年、国立公園の仲間入りを果たしました。
ロベケはサンガ川の川沿いに大きく広がっており、水草スワンプと呼ばれる湿地帯がたくさんあります。湿地帯にはカヤツリグサが一面に覆い茂り、ゆるやかに水が流れています。ミネラルの豊富な水を求めて、ゴリラを初めボンゴ、バッファロー、シタトゥンガ、あらゆる動物が訪れます。
公園内にある9カ所の水草スワンプには、観察台を設置して大型野生動物の定期観察を行っています。ロベケ国立公園の生物多様性の変化をモニタリングするためです。また、観察台の上で動物観察を行う、エコツアーも盛り立てて行く予定です。現地に行くのは大変ですが、何日でも滞在したくなるほど、動物好きには堪らない場所です。 例えば、写真にあるプチサバンナと呼ばれる水草スワンプの周りには、ゴリラとチンパンジーが大好きな果実が大量に生る木があり、その果実目当てに一斉に集まってくることがあります。このような時期は、時折、ゴリラとチンパンジーが追いかけっこをして、遊んでいるところに出くわすこともあります。ゴリラは低い笑い声、チンパンジーは甲高い笑い声をあげながら下生えの中を走り回る光景が観察できる、非常に貴重な場所になっています。 この世界でも珍しい森を守るため、UAPACAA国際保全パートナーズはカメルーンで活動しています。 |