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象牙取引賛成、反対?分裂するアフリカ諸国

29/10/2019

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 ​今や、象牙の国際取引への注目はアフリカを超えて世界中に広まり、その傾向は野生動物の減少と保護への関心の高まりとともに、年々強まっている。今回は象牙取引の再開を求める国と厳しい規制を望む国が共存する、アフリカ諸国の分裂について見ていきたい。
画像©︎ Krissie Clark (出典:conservation action trust)
 南部アフリカ諸国では以前からたびたび、象牙取引再開を訴える動きは見られる。2016年の第17回ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)締約国会議(COP17)では南アフリカ共和国、ジンバブエ、ナミビアが、象牙の国際取引再開の提案をしている。2018年には、野生動物保護の優等生と呼ばれていたボツワナが、政権交代を機に象牙取引再開に方針転換。その年の8月、ヴィクトリア滝で開かれたAU国連野生動物経済サミットでは、ジンバブエの大統領がスポーツハンティングを賞賛し、象牙の国際取引推進の意向を発表した。そして、今年8月に開かれたCITESのCOP18で、ボツワナとザンビアを加えた5カ国が、象牙取引再開案を再提出している。
  他方で、象牙取引の規制強化を望んでいるのは、ケニア、エチオピア、ガボン、コートジボワール、ニジェール、ブルキナファソ、アンゴラ、中央アフリカ、チャド、セネガルなど西、中部、東アフリカ諸国である。COP17ではこれらの国々が、違反した場合は法的措置をもって国内市場を閉鎖するよう提案している。またCOP18でも、ケニア、エチオピア、ガボン、コートジボワール、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、リベリアが「密猟や違法取引」への関与のいかんに関わらず、国内取引を禁止する提案を出した。

  アフリカ内で分裂が起きた要因として、野生動物の分布の偏りが挙げられる。例えばアフリカゾウは、7割がアフリカ南部に生息するといわれ、その中でもボツワナに、全個体数の3分の1が生息している。これらの国々では、特に大型の野生動物を利用した観光収入の国家予算に占める割合が非常に高いが、他方で増えすぎた動物による獣害も問題になっている。そこで南部アフリカ諸国は、独自調査をもとに、「アフリカゾウは増加している」と主張し、「獣害を減らすために、スポーツハンティングの促進および象牙の国際取引を再開し、収益金を保護活動や地域へ還元する」とするが、大問題となっている密猟対策への貢献ははなはだ心もとない。反対に、西部や中部アフリカの国々では大型哺乳類が減り続け、時にはインフラや治安の悪さも加わり、観光業は未発達で恩恵をあまり受けていない。そんな中で、高く売れる象牙を求めて国境を越えてやってくる、武装勢力やテロリストの存在が保護活動を難航させ、住民の生活も脅かしている。
​​  しかしながら、もしも中西部アフリカと南部アフリカの現状が逆だったら、正反対の立場で同じ分裂が起こっていたかもしれない。アフリカ諸国に限らず、利益誘導や政治利用のために、各国は掌を返したように野生動物保護の立場を変えることがある。今や密猟や自然保護もグローバリゼーションの波に飲まれ、世界中の国家、政治家、企業、個人の利害関係が複雑に絡んだデリケートな問題となった。一見答えが明白な今回のCITESにおける象牙取引の議論も、長い目でみれば一筋縄では行かないだろう。

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